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慶應義塾大学三田祭で挑戦!情報保障を支えるリアルタイム字幕 実証レポート

2025年11月21日〜24日、慶應義塾大学 三田キャンパスで開催された「第67回三田祭」。慶應義塾大学公認団体である手話サークルMiMi(ミミ)が行った公演において、当社の「ScribeAssist」のリアルタイム字幕機能が活用されました。本取り組みは、ろう・難聴者を含む来場者に対し、公演中の発言をリアルタイムで字幕表示することで情報保障を提供することを目的としています。本記事では、取り組みの詳細や参加者の声をご紹介します。


目次
導入前の課題
手話サークルMiMiでは、以前から音声認識を活用したコミュニケーション支援アプリを用いて、公演中にリアルタイム字幕を表示していました。しかし、運用には次のような課題がありました。
1.事前準備が負担
あらかじめ司会原稿を手打ちで作成し、コミュニケーション支援アプリに送信するための形式に修正しておく必要がありました。これにより、原稿づくりに多くの時間がかかっていました。
2.2人体制での運用が必要だった
アドリブ部分は、リアルタイムに文字起こしされた内容を修正して表示しており、誤認識を修正する担当と原稿を送信する担当の2人体制が必須でした。
3.認識精度が低く修正が大変だった
舞台裏から音声を拾っていたため、周囲の雑音が入りやすく誤認識が多発。録音された音声を聞き直しても話した内容がわからないこともありました。
ScribeAssist導入による効果
今回の三田祭では、当社のAI議事録サービス「ScribeAssist」とオカムラ社のウェアラブルマイク「TALKHUB Ⅱ」を併用して字幕表示を行いました。これにより、以前の運用と比較して以下の点が大きく改善しました。

認識精度の向上
「TALKHUB Ⅱ」はウェアラブルマイクで、首にかけて利用することで口元の近くで音を拾うことができます。また、「ScribeAssist」はシェアNo.1のAI音声認識AmiVoiceを搭載しており、高い認識率を誇ります。騒音下でも音声をクリアに取得、高精度に文字起こしすることで、認識精度は大幅に向上しました。当日は近くでバンド演奏が行われていましたが、字幕の正確性は高く維持されました。
運用負担の軽減
認識精度が向上したため、従来2人体制だった操作が、一人で対応可能になりました。事前に単語登録を行っておくことで、誤認識の修正作業もさらに減少しました。
イベントでの活用状況
リアルタイム字幕は、手話コーラスを解説しながら来場者と一緒に楽しむ企画「Let’s手話コーラス」で活用されました。手話のやり方を説明する音声がスクリーンに字幕表示されることで、ろう・難聴者や説明を聞き取りづらい来場者にとって大きな助けとなりました。

サークルメンバーからは「一度操作方法を覚えれば、一人で問題なく運用できた」との声があり、卒業生や来場者からも「認識精度が高く、字幕が見やすかった」と好評でした。
アンケート結果と参加者の声
イベント後のアンケートでは、字幕の精度に対する満足度は非常に高く、5段階評価で「5」が多数を占めました。コメントでは以下のような声が寄せられています。
| リアルタイムだとは気づかないほど正確だった。 |
| 神すぎる!導入した方天才! |
| とても良いと思います。世の中のいろんなところでこういうのあったらいいのにと思いました |
| 以前から情報保障が整っている印象でしたが、今回はふりがなも付いていて、サークルとして丁寧に改善を重ねていることが伝わり、とても嬉しく思いました☺️ |
まとめ
今回の取り組みは、文化祭という場で情報保障を実現した事例ですが、企業の会議や研修など、ビジネスシーンへの応用も可能です。発言内容を文字で確認できる環境は、コミュニケーションの質を高め、ダイバーシティ&インクルージョンの推進にもつながります。
手話サークルMiMiで、実際に聴覚障害をもつメンバーからは、以下のような声が寄せられています。
| リアルタイム字幕や、同時手話通訳などのツールの発展で、コミュニケーションの壁が無くなってほしいです。 |
| 社会全体でもっとノーマライゼーションの風潮が広まるといいなと思っています。例えば、聴者だけの授業でもマイクや文字起こし製品を使うなどです。マイクがあれば誰でも聞こえやすいですし、「授業ではマイクを使う」「発言内容を文字起こしする」が当たり前になれば多くの人にメリットがあると思います。後ろの席に座っている人や、日本語ネイティブではない方など、聴覚障害のあるなしに関わらず、アクセシビリティを整えてほしいです。 |
| ノートテイクなどの支援がより手軽になってほしいです。今の支援形態は凄くありがたいのですが、ボランティアの方々の時間も貰っていたり、手起こしではかなり労力もかかるので、申し込みずらいし、少しの体調不良でも授業をお休みしにくいです。「ScribeAssist」のように、操作が簡単で精度も高いノートテイク・パソコンテイクが広がれば、サポートする側もしてもらう側も心身ともに負担なく実施できると思います。 |
本取り組みは、情報保障の新しい可能性を示すものです。認識精度の高さ、運用負担の軽減、来場者からの高評価は、今後の活用領域拡大に向けた大きな一歩となりました。
当社としても、今後も音声認識技術を通じて、誰もが利用しやすい公共サービスの実現と、全ての人にやさしいコミュニケーションの実現に貢献してまいります。
取材にご協力いただいた手話サークルMiMiの皆様、誠にありがとうございました。
最後に
本記事でご紹介した「ScribeAssist」は、リアルタイム字幕表示機能以外にも議事録作成支援機能や、議事録をAI要約できる機能も搭載しています。
ご興味があれば以下のリンクからお問い合わせください。
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お問い合わせ | VoXT One (advanced-media.co.jp)
また、資料では字幕表示機能含めた詳しいご紹介をしております。以下リンクから必要情報を入力の上ダウンロードください。
