コラム

column

企画のタネを見つけるヒント

公開:2018年06月08日

最終更新:2024年8月27日


「企画を作る」と聞くと、スケールの大きなアイデアを出さなければいけない、斬新じゃないと意味がない、などとハードルが高く感じる人もいるかもしれません。
けれども、企画のタネは意外と世の中にあふれているもの。むしろ、日常の中にあるものがほとんど、と言っても差し支えないかもしれません。
では、具体的には企画のタネにどう気づき、どう企画にすればいいのか?企画に役立つ発想法や行動についてご紹介します。

その企画、誰かの役に立っていますか?

企画は、「スケールが大きいこと」や、「斬新であること」がゴールではありません。ましてや、「自分がやってみたいこと」や、「やってみたら面白そう」という独善的な目的だけでは、誰も振り向いてくれません。ビジネスにおける企画であれば、なおさらです。

いい企画というのは、「誰かの役に立つこと」がゴールに設定されているものです。あくまでも、「その企画で誰かの悩みや課題が解決するかどうか」が肝です。

結果的に、スケールが大きかったり、斬新であったり、前から自分のやってみたいことだったりすれば、“なお良し”というだけの話なのです。

これまでにあるアイデアを組み合わせる

「人の役に立つもの」と聞いて、さらにハードルが高くなったと感じるでしょうか?
けれども、世の中にあるいい企画を見渡してみると、意外と「コレとコレの組み合わせ」というものも少なくありません。

例えば、私たちが普段何気なく街で見かける自治体のゴミ拾い活動を見てみましょう。
「シルバー人材」と「ゴミ拾い」を組み合わせるだけで、「街がキレイになるばかりか、年配者のコミュニティーと収入も作ることができる」。これも立派な企画です。

今注目を集めるAI分野のサービスだってそうです。
例えば、自動の文字起こしソフトは、「クラウドサービス」と「文字起こし」の組み合わせでできたサービスです。自動会計ソフトは、「クラウドサービス」と「会計」の組み合わせ。通常は、手動で何時間も掛かっていた作業が不要になる、大幅に短縮できるとあって、いずれも瞬く間に市民権を得ました。
開発までの技術的な難しさは別として、これらのイノベーティブなアイデアも、発想だけで言えば「すでにあるアイデア」の組み合わせです。

企画のタネが見つかりやすい「場所」

いい企画のタネは、日常生活に転がっているもの。例えその場で瞬時に企画が思い浮かばなかったとしても、少しでも気になったことはメモしておきましょう。日頃から企画の素材を集めておけば、いざとなったとき集めた素材を見返すことで、思わぬアイデアが思いついたりするものです。「組み合わせ」のバリエーションも格段に増えます。

では、どんな所に企画のタネは転がっているでしょうか?極論を言えば、見方次第でどこにでも転がっているはずです。しかし、「高濃度でタネが詰まっていそうな場所」というのもいくつかあります。

それは、「今何が起きているのか」、「どんなことに注目が集まっているのか」、「みんなが求めるムードは何か」など、世の中の指向性が分かる「場所」です。

新聞やニュースなどの既存メディアはもちろんのこと、電車の中吊り広告、書店の平積み、感度の高いスーパーの陳列などにも、小さな発見や情報は詰まっているものです。

企画のチェックポイント

日常から企画のタネを集めつつ、誰かに役立つことを念頭に企画を立てたなら、最終的にもう一度「本当に誰かの役に立つのか」チェックしてみましょう。

手段と目的がすり替わっていませんか?

「SNSで情報発信します」は、企画ではありません。「集客率を上げる」というのが企画のゴールであり、SNSによる情報発信は、あくまで認知度を向上させ集客率を上げる可能性のある一つの手段です。SNSという手段ありきで企画を作ってしまうと、「集客率を上げる」という本来の目的からズレてしまう可能性があります。

独りよがりになっていませんか?

「すごい企画ができた!」と本人は自信満々でも、相手に説明すると「?」マークが点灯することがよくあります。これではせっかくの企画も「独りよがりな企画」。周りから理解されなければ、実現するのも難しいでしょう。
相手は、あなたの企画の素晴らしさなど、事前に1ミリも分かりません。ですから、言いたいことは一つに絞り、それに対しての説明を丁寧にしましょう。
また、企画の構成や文脈に無理はないか、違和感はないか、飛躍しすぎていないか、この言い回しで相手は理解できるかなど、客観的に検証することが欠かせません。

おわりに

「日々の生活の中にこそ、企画のタネがザックザク」と思えば、普段あたり前に通り過ぎていた出来事も、見方が変わるかもしれません。自分の立てた企画が誰かを勇気づけたり、笑わせたり、誰かのためになるなら、世の中はもっと居心地のいい場所になりそうですね。