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株主総会で音声認識ソフトは使えるのか!? 「ScribeAssist」で議事録を取ってみた

公開:2023年05月23日

最終更新:2024年11月14日

6月は株主総会のシーズン。上場企業にとっては株主と直接会い、事業について議論を交わすことのできる数少ない機会です。今回はそんな株主総会で、「ScribeAssist」を使用。ソフトを使って議事録を取ることができるのかを試してみました(総務さん、必見です!)。

 

特に重要である、株主総会の議事録作成

株主総会は、株式会社の最高意思決定機関として定められている重要な会合。会社の業績と計画を株主に伝える貴重な機会のため、どの会社も入念に計画を立てて取り組んでいます。

そのやり方は企業によって様々ですが、共通して大切なのが議事録の作成。発表した内容や株主と交わした質疑応答を記録にとり、今後の事業運営に役立てることが目的です。企業によっては総会中に文字起こしを行い、終了と同時に完成させて金融庁に提出することもあるそうですから、正確さだけでなくスピードも求められます。

今回はそんな株主総会の議事録作成において、リアルタイムで音声認識をしながらその場で文字を起こしと編集ができるソフトウェア「ScribeAssist」を使ってみました!

「ScribeAssist」で、株主総会の議事録を取ることができるのか……!?

「ScribeAssist」には以下のような特徴があり、株主総会や重要な会議における様々なニーズに対応しています。

① 企業の大事な機密情報を外部に出したくない(オフライン)
② リアルタイムで音声認識をしたい
③ 大事な部分を振り返りたい
④ 話者を自動で認識したい

会場では音声レベル確認、カメラの位置、照明効果、マイク感度等々、入念に準備が進められ、いよいよ本番がスタート。

別室では事務局が複数のディスプレイでモニタリングをしながら、発表者に当日のシナリオ原稿を送ったり、株主からの質問に対する回答支援を遠隔で送ったりと、まさに秒単位の闘いが繰り広げられていました。

はたして、議事録を取ることができるのでしょうか。

結果は……音質が良くない状態でも、高い変換精度を実現!

実際に、文字起こしをした内容がこちら。

音質は、スピーカーの音声をパソコンの内臓マイクで拾っているため、そこまで良くありません。そのような状況下でも、シナリオが用意されている部分については8割ほど、シナリオのない質疑応答部分については7割ほどの認識精度でした。「ざっくりと内容が分かればいい」といった目的であれば、この程度の精度で十分という印象です。会場のあちこちに這っている音声出力のケーブルからライン入力をすれば、認識精度はさらに高くなると思われます。

認識した文章の内容を視覚的に分かりやすくまとめるには、タグ・キーワード機能を使うと便利です。タグは自分で設定可能なので、「質疑応答」「議題」「課題」といった項目を設定しておけば、後からそのタグをつけた部分のみを絞込み、振り返ることが可能です。重要なキーワードを設定すれば、その部分を色付けすることもできます。(キーワードの入った文章を絞り込むことも可能。)

また総会の最中には、文字起こしした内容を即座に印刷して発表者に手渡す場面もありましたが、この作業に関しても<「議事録」→「出力」>という2つのコマンドで完了します。

総会の終了後に、音声と議事録を照らし合わせたいということもあると思います。そんな時は、起こした文章を選択すると自動で音声が再生されるため、それを確認しながら編集することが可能です。

まとめ

今回の検証の結果は、十分に理解できる記録が取れていたため成功だと言えるでしょう。必要な正確さとスピードを保ちながら、人件費と時間という二大コストを削減できると感じました。

今後、インターネットに接続しながら、複数人が遠隔で編集できるような機能が増えれば、総会終了と同時に議事録を完成することも可能になるはず。そうなれば、会議録からテレビの字幕まで、様々なシーンで活用できるかもしれません。

1分1秒を争う株主総会で議事録を取りながら、色々なアイデアが浮かんだ1日でした。

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