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ローカルLLM搭載!インターネット接続なしでAI要約までセキュアに使える最新AI議事録ツールとは【LLMについての解説付き】

公開:2025年09月25日

はじめに

文字起こしを自動化するAI議事録ツールとは

AI議事録ツールは、会議や商談、インタビューなどの音声をAIが自動的にテキストに変換し、議事録作成を効率化するアプリケーションです。これにより、手動での文字起こし作業にかかる時間や労力を大幅に削減し、参加者は議論に集中できるようになります。発言者の識別、キーワードのハイライト、音声とテキストの連動再生など、様々な機能が搭載されており、業務効率化に貢献します。

生成AIによる自動要約機能とセキュリティ課題

近年の生成AIの進化により、AI議事録ツールは文字起こしだけでなく、会議内容の自動要約機能も提供するようになりました。これにより、議事録の作成時間をさらに短縮し、要点の迅速な把握・共有が可能になります。しかし、多くの生成AIサービスはクラウド上で動作するため、機密情報や個人情報を扱う会議の場合、情報漏洩のリスクが懸念されるというセキュリティ課題も存在します。

スタンドアローン型のAI議事録ツール

このようなセキュリティ課題に対応するため、インターネット接続なしで利用できるスタンドアローン型のAI議事録ツールがいくつか存在します。インターネット接続なしで動作する、ローカル生成AI(ローカルLLM)を搭載したものも登場しており、インストールしたPC内で、文字起こし~編集~生成AIによる自動要約までの全ての処理が完結します。そのため、音声やテキストデータ含めたすべての情報を外部に一切漏らすことなく、安全に議事録作成の効率化が実現できます。

ローカル生成AI(ローカルLLM)とは?

そもそも生成AIとは

生成AI(Generative AI)とは、テキスト、画像、音声などの多様なデータを学習し、その学習データに基づいて新しいコンテンツを生成できる人工知能の一種です。例えば、ChatGPTに代表されるような大規模言語モデル(LLM)を搭載した生成AIは、与えられたプロンプト(指示)に応じて自然な文章を作成したり、要約したりすることが可能です。

LLM(大規模言語モデル)とは

LLM(Large Language Model)は、大量のテキストデータを学習することで、人間のような言語理解と生成能力を獲得したAIモデルです。文脈を理解し、質問応答、文章生成、翻訳、要約など、多岐にわたる自然言語処理タスクを実行できます。その基盤となる技術は、Transformerと呼ばれるニューラルネットワークアーキテクチャにあります。

クラウド型/オンプレミス型/スダンドアローン型の違い

LLM(大規模言語モデル)は、その動作環境によって大きくクラウド型ローカル型の2つが存在します。ローカル型でも、自社サーバー内にLLMを構築するオンプレミス型と、サーバー構築不要でスタンドアローンで操作するスタンドアローン型に分けられます。それぞれの違いは以下のとおりです。

  • クラウドLLM
    • OpenAIのChatGPTやGoogleのGeminiのように、インターネット経由でベンダーのサーバー上で動作するモデルです。高性能な計算リソースを必要とするため、多くのLLMがこの形式で提供されています。利便性が高い一方で、データが外部サーバーに送信されるため、情報漏洩のリスクが伴います。
  • ローカルLLM
    • オンプレミス型: 自社サーバー内に、LLMを構築して利用するタイプです。ローカル通信で利用できるため、セキュリティ性・カスタマイズ性が高いのが特長です。構築には専門的な知識が必要で、構築後も定期的なメンテナンス作業が必要です。
    • スタンドアローン型:ユーザーのPCなどで動作するLLMです。スタンドアローンで動作するため、データが外部に送信される心配がなく機密性の高い情報を安全に扱うことができます。一方、モデルサイズによっては高性能なGPUや大容量メモリが必要となり、既存のPC環境ではうまく動作しない場合があります。
クラウドLLM、ローカルLLM(オンプレミス型/スタンドアローン型)の違い

主要なLLM(生成AI)の例

クラウドLLMの例としては、OpenAIの「ChatGPT」や、Googleの「Gemini」、Anthropicの「Claude」などが挙げられます。日々新しいモデルが公開されており、性能や正確性が向上していっています。

ローカルLLMの例としては、Metaの「Llama」やGoogleの「Gemma」などがあります。これらは、適切なハードウェアがあれば個人のPC上でも動作させることが可能であり、オフラインでのデータ処理を求めるユーザーにとって重要な選択肢となっています。オープンソースのものも多く出ています。

オフライン利用とデータ保護の重要性

ローカルLLMの最大のメリットは、オフラインでの利用が可能であることと、それに伴うデータ保護能力の高さにあります。クラウドサービスでは、たとえ暗号化されていてもデータが外部のサーバーを経由する以上、情報漏洩のリスクを完全に排除することは困難です。しかし、ローカルLLMであれば、データがユーザーの管理下にあるデバイス内で完結するため、機密性の高い会議内容や個人情報を含むデータを安心して扱えるようになります。これは、セキュリティを重視する企業や官公庁にとって、非常に大きなメリットです。

ローカルLLM(ローカル生成AI)のメリットとデメリット

メリット

  1. セキュリティの向上
    • データが外部サーバーに送信されないため、情報漏洩のリスクを最小限に抑えられます。
    • データが常にユーザーの管理下にあるため、機密性が高い業務にも利用可能です。
  2. オフラインでの利用
    • インターネット接続が不要なため、通信環境に依存せずに動作可能です。
    • インターネットに接続できない環境や、セキュリティが厳重なエリアでも使用できます。
  3. カスタマイズ性
    • データや使用目的に応じてローカル環境で独自に調整や最適化が行えます。
    • 特定の用途に特化したモデルを構築(ファインチューニング)可能です。

デメリット

  1. 精度と導入コスト
    • モデルによってはクラウド型のLLMと比べて学習量が少なく、生成される結果の精度が低い場合があります。
    • 学習量の多いモデルを構築・利用する場合、ローカルサーバーが必要になる場合があります。
    • そのため、クラウド型と比較して、初期コストが割高になる可能性があります。
  2. モデル性能の更新
    • 情報を最新に保つためには、追加の作業やモデルの更新が随時必要です。
    • ファインチューニングされたモデルの場合、更新後に再度適用する作業が発生します。
    • そのためクラウド型に比べて、最新のモデルを導入するまでのタイムラグや手間が生じる可能性があります。

スタンドアローン型AI議事録ツール「ScribeAssist」

録音から要約・出力まですべてオフライン

「ScribeAssist」は、スタンドアローン型のAI音声認識アプリケーションです。国内シェアNo.1のAI音声認識「AmiVoice®」を搭載しており、録音から音声認識、編集、そして出力に至るまで、すべての工程をオフラインで完結できます。そのため、インターネット接続なしで議事録作成の効率化が可能で、機密性の高い情報を含む会議でも情報漏洩のリスクを最小限に抑えて利用できます。

また、「ScribeAssist」は2025年9月に、ローカル生成AI(ローカルLLM)によるスタンドアローン型の要約機能が実装され、生成AIによる自動要約含めたすべての工程がインターネット接続なし(オフライン)で完結するようになりました。「ScribeAssist」はスタンドアローン型の要約だけではなく、異なる特長を持った3つの要約方式を利用できます。そのため、用途やお使いのPCのスペックにあわせて最適なものを選択してご利用いただけます。

用途やスペックにあわせて選べるAI要約機能

① スタンドアローン要約

すべての処理をPC内部(ローカル環境)で完結する要約機能です。機密性の高い情報も外部に送信することなく、安全に処理できます。インターネット接続がない環境で利用したい場合や、外部に一切データを出さずセキュアに運用したい場合に適しています。

② ScribeAssistで要約

クラウド上の生成AIに文字起こし結果を送信して要約。文字起こしから要約までがすべて「ScribeAssist」内で完結します。音声データや要約結果はクラウド上に保存されません。より高精度な要約を求めつつも、音声や文字起こしデータを外部に保存したくない場合に適しています。

③ 議事録エディタ

文字起こしや議事録(要約結果)の編集が可能なWebアプリです。AI要約から議事録編集、ファイル出力、URL共有までを一括で行えます。直感的で高機能なWebエディタを使って議事録作成を完結させたい場合や、議事録をURLで外部に共有したい場合に適しています。

ScribeAssist スタンドアローン要約の特長と機能

「ScribeAssist」のスタンドアローン要約機能は、以下のような特長と機能を備えています。

構築・メンテナンス不要

スタンドアローン要約機能は、ScribeAssistの拡張機能としてインストールだけですぐ使えます。議事録作成向けにファインチューニングされているため、手間がかかりません。モデルも定期的にバージョンアップを行う予定のため、バージョンアップするだけで新しいモデルが利用できるようになります。

選べる出力フォーマット

作成したい議事録に合わせてフォーマットを選択できます。


  • 議事録: 議題ごとに概要・決定・ネクストアクションを出力します。

  • 要点まとめ: 議題ごとに要点をまとめます。
  • カスタム: ユーザー自身で自由にプロンプトを入力することができます。会議の目的や共有先に応じて、最適な形式で要約を生成することが可能です。

AIが文字起こし結果から議題を自動で作成して議題ごとに要約するため、人が作った議事録に近い要約を生成します。手動で設定した議題ごとに要約することも可能です。

PCスペックにあわせて生成AIを選択

「スピード重視」と「精度重視」の2つの生成AIから選択して利用できます。どちらも選べるFull版と、「スピード重視」のみが利用できるLite版をご用意しています。

生成AI(LLM)は、Meta LlamaやGoogle Gemmaをベースにファインチューニングしたものを搭載しています。

過去の要約結果と並べて比較

最新5件の要約結果から2件を選択し、 並べて比較できます。指示したプロンプトも確認できるので、プロンプトをブラッシュアップしていく際などに便利です。

まとめ

「ScribeAssist」の特長とメリット

「ScribeAssist」は、情報漏洩のリスクを最小限に抑えつつ、議事録作成業務を劇的に効率化する画期的なスタンドアローン型のAI議事録ツールです。その主な特長とメリットは以下の通りです。

  • 最高レベルのセキュリティ: オフライン環境で録音から文字起こし、要約まで完結するため、機密情報の漏洩リスクがありません。
  • 高精度な音声認識: 国内シェアNo.1の「AmiVoice®」を搭載し、専門用語にも対応した高い認識率を誇ります。
    ※ 合同会社ecarlate「音声認識市場動向2025」音声認識ソフトウェア/クラウドサービス市場
  • 豊富な便利機能: 発言者識別、単語登録、タグ付け、リアルタイム字幕表示など、議事録作成を強力にサポートする機能が充実しています。
  • 業務効率化とコスト削減: 議事録作成にかかる時間と労力を大幅に削減し、本業に集中できる環境を提供します。
  • 柔軟な運用: 定額制の料金体系で、使えば使うほどコストパフォーマンスが高まります。

今後のAI議事録ツールの活用トレンド

AI議事録ツールは、単なる文字起こしを超え、会議の質の向上、意思決定の迅速化、ナレッジマネジメントの強化へとその活用範囲を広げています。今後は、ローカルLLMの進化により、「ScribeAssist」のようにセキュリティと利便性を両立したスタンドアローン型のAI議事録ツールが、特に機密情報を扱う企業や官公庁で主流となっていくと思います。

導入検討中の方へ

情報漏洩の懸念からAI議事録ツールの導入をためらっていた企業や、議事録作成の非効率さに悩んでいるすべての方にScribeAssist」は最適なソリューションです。まずは無料トライアルを活用し、その高い認識精度とセキュリティ性能を実感ください。自社の会議環境や専門用語への対応力を確認し、業務効率化と情報セキュリティの確保を同時に実現する「ScribeAssist」の導入をぜひ検討してみてください。

本記事内で詳しくご紹介できなかった機能や、実際に操作している様子は定期的に開催しているウェビナーで、デモンストレーションを交えて詳しくご紹介しています。ぜひこちらもお気軽にご参加ください。

【定期開催】製品紹介ウェビナー「AmiVoice議事録ソリューションのご紹介」

【定期開催】製品紹介ウェビナー「AmiVoice議事録ソリューションのご紹介」
https://voxt-one.advanced-media.co.jp/webinar/webinar_minutes/

「ScribeAssist」をトライアルしたい、本記事の内容やサービスに関して質問したい、などの場合は以下のリンクからお気軽にお問い合わせください。

問い合わせ
お問い合わせ | VoXT One (advanced-media.co.jp)

また、資料では「ScribeAssist」をはじめとしたAI議事録サービスについて詳しくご紹介をしております。以下リンクから必要情報を入力の上ダウンロードください。

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