- 聴覚障がい者とのコミュニケーションに音声認識を活用していたが、精度や運用に課題があった
- ストレスなくコミュニケーションを取るには高い音声認識精度が必要不可欠だった
導入事例
case
株式会社LIXIL

- 「ScribeAssist」によって文字化された発言が、モニターに常時リアルタイムで表示されるため、バリアフリー化を実現
- マイク環境を見直すことで認識精度が上がり、情報を得るための労力が減少した
オンラインショールームでリアルタイム字幕を活用
LIXILでは、「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」というパーパス(存在意義)の元、コーポレート・レスポンシビリティミッションのひとつに「多様性の尊重」を掲げ、年齢、性別、障がいの有無などを問わず、すべての人びとの生活の質の向上に貢献するユニバーサルデザイン(UD)に基づく商品やサービスの提供に取り組んでいます。そのため、会議の文字起こしだけではなく、オンラインショールームの接客サービスにも「ScribeAssist」を活用しています。
「ScribeAssist」のリアルタイム字幕表示機能を活用することで、ショールームコーディネーターの話した内容をZoomの画面下段に文字表示することが可能です。これによって、聴覚障がい者や日本語ネイティブではない外国人の方への日本語理解の補助などにも活用でき、快適なオンライン接客を実現しています。
聴覚障がい者とのコミュニケーションに音声認識を活用
またLIXILでは、全国各地の研究開発や生産、営業事務、企画管理などの幅広い部門で、障がいを持つ方と共にさまざまな業務を遂行しています。加工技術部では、2020年から聴覚障がいのある社員と共に働いており、最初は無料の音声認識スマホアプリを使ってコミュニケーションを取っていました。しかし、複数のメンバーと執務室内で会話をするときに変換精度が落ちること、スマホアプリのため会話をするときにいちいち目線を落とす必要があること、アプリを起動するタイムラグが気になったことなどの理由から、よりスムーズなコミュニケーションのために、新しいサービスの導入を検討しました。
サービスの4つの評価ポイント
検討の際には、 ①コストが適切か、②利用時間の制限がないか、③使用するデバイス、④スクリーン化(文字起こし結果をディスプレイに表示できるかどうか)、の4点について主に評価しました。特に④のスクリーン化については絶対条件だったため、それが可能な3つのサービスに絞りました。
執務室内の会話がリアルタイムにモニターで表示
3つのサービスを同時に利用し、客観的にどれが最も優れているかを評価しました。「ScribeAssist」は、上記の評価ポイントをクリアし、マイクを柔軟に接続でき、オフライン(インターネット接続なし)でも利用できるため、導入を決定しました。現在、執務室内にモニターとマイクを設置し、常に発言が文字化されるようにしています。また、話者識別機能も活用し、誰の発言かも分かるようになっています。


マイク環境の見直しも実施
トライアルの際に改めて気づいたのですが、ストレスなくコミュニケーションを取るには音声認識精度が非常に重要です。そのため、「ScribeAssist」の導入とともに、販売代理店(株式会社翻訳センター)にも協力いただきながらマイクの環境を見直しました。
数社のマイクをテストし、SONY社のウェアラブルマイクにオカムラ社の「TALKHUBⅡ」を接続することにしました。「TALKHUBⅡ」には複数のマイクを接続できるため、全員がマイクの集音範囲内に入るように設定しています。そのため、マイクの位置を気にせずにコミュニケーションが取れます。

誤認識を推測する必要がなく情報を得るための労力が減少
「ScribeAssist」を導入した結果、従来のサービスよりも正確に文字起こしができるようになり、誤認識を推測する必要がなくなったことで、情報を得るための労力が減りました。文字起こし結果だけでは疑問文か肯定文かが分からないため、今後のアップデートにも期待しています。
お客様からのコメント
LIXILでは、多様性を尊重し、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を推進しています。従業員が能力を最大限に発揮できる環境を構築することが重要だと考えています。聴覚に障がいがあるメンバーも、業務遂行能力には問題がありません。その能力を最大限に発揮してもらうために、システムへの投資を惜しみません。とはいえ「ScribeAssist」は、使えば使うほど低コストで利用できるため、負担が少なく導入できました。LIXILには、聴覚障がいのある社員が多く在籍しているため、この取り組みを全社に広げることを目指し、社内でも積極的に共有しています。

